知的障害者入所施設(障害者支援施設)での生活に必要な費用

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「施設入所を考えているけど費用面が心配」という方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこのページでは、知的障害をお持ちの方が、入所施設(障害者支援施設)で生活する為に必要になる費用についてご説明します。

※最終更新 2024/4/11

入所施設ではなくグループホームの費用をお知りになりたい方は下記のページをご覧ください。
・知的障害者グループホームでの生活に必要な費用

グループホームと入所施設の違いをお知りになりたい方は下記のページをご覧ください。
・知的障害者グループホームと入所施設の違い

 

施設入所に必要な費用って?

知的障害をお持ちの方が入所施設(障害者支援施設)で生活する為に必要な費用は次の3つになります。

(1) 福祉サービス(障害者支援施設)利用料

(2) 食費・光熱水費

(3) その他の費用

 

皆様が心配されているのは、ご本人の収入だけで足りるのかという点だと思います。
収入は障害基礎年金のみ、もしくは障害基礎年金と作業工賃という方が多いと思いますが、

現時点では

(1) 福祉サービス(障害者支援施設)利用料
→ほとんどの方が無料になります。

(2) 食費・光熱水費
→ほとんどの方が補足給付制度の対象となり、年金から支払いをしても一定額が手元に残ります。

(3) その他の費用
→「(2)食費・光熱水費」を支払って手元に残ったお金でやりくりをすることになりますが、節約を心がければ日々の生活に不足は無いと思われます。

又、生活保護に移行しない様、負担を軽減する仕組みもある上、軽減しても不足する場合には生活保護でサポートされます

よって結論としては、

「ご本人の収入不足が原因で障害福祉サービスを受けられなくなる事は現時点ではほとんど無い。」

と言って良いのではないかと思います。

 

3つの費用について詳しく教えて!

それではここからは必要な3つの費用について、もう少し詳しく説明をしていきます。
※20歳以上の方を想定しています。
※金額は特別に記載が無い限り、月額を表しています。

 

(1) 福祉サービス(障害者支援施設)利用料

サービス利用料は1割負担ですが、「利用者ご本人とその配偶者の所得」に応じて負担上限月額まで減額されます。
「利用者ご本人とその配偶者の所得」ですので、ご両親、他のご家族の収入やご本人の預金、資産は関係ありません。

負担上限月額の区分ですが、

 

年収が概ね負担上限月額
0円~300万円の方0円
300万円~の方37,200円

となっています。

ほとんどの方が負担0円(無料)になるのではないでしょうか?

 

(2) 食費・光熱水費

食費・光熱水費の負担については、下の図の様になります。
横長の図なので、スマホでの閲覧時は画面を横に回転した方がご覧いただきやすいかもしれません。

少し複雑なのですが、詳しくご説明します。
「ややこしいのは読む気にならないよ。」という方は
「年金から食費・光熱水費を支払って、25,000円以上が手元に残る」
事だけ理解して頂ければ読み飛ばして「(3)その他の費用」に進んで頂いても構いません。

次の解説で「25,000円以上」の「以上」がいくらになるかが分かります。

手元に残る額 ①+② 食費・光熱水費 (上限55,500円で施設が設定)
 「その他生活費」
1) 障害基礎年金1級 28,000円
2) 障害基礎年金2級 25,000円
66,667円を超えた収入の50%  実負担額 ③+④ 補足給付
で支払う
 66,667円 – 「その他生活費」66,667円を超えた収入の50% 
収入 = 年金収入 + 就労収入(控除有り) + 他の収入(控除の可能性有り) – 必要経費 補足給付

解説

  • 上の図は、ご本人の収入、支払う必要のある食費・光熱水費、支払って手元に残る額の関係を表しています。
  • 食費・光熱水費については負担軽減の為に補足給付という給付が支給され、食費・光熱水費を支払っても収入の内の一定額が手元に残るようになっています。
  • 補足給付は生活保護及び低所得の方に支給されますが、「(1)福祉サービス(障害者支援施設)利用料」の負担上限額0円の方と同じ方が対象ですので、ほとんどの方に支給されると思われます。
  • 作業工賃等の就労収入は24,000円までと、24,000円を超えた分もその30%が収入から控除されます。(つまり図の手元に残る額とは別で手元に残ります)
  • 他の収入については控除されるものとされないものがあります。
  • 必要経費として租税の課税額や国民健康保険料等の社会保険料が収入から控除されます。(租税や社会保険料は低所得者を対象とした減免を受けられる場合があります。)
  • 66,667円を超える収入がある場合はその超過分の50%を食費・光熱水費の負担に充て(上図の④)、残りの50%が手元に残る(上図の②)ようになっています。
  • 「66,667円」という金額の根拠ですが、負担額の算定式が決定したH17年当時の障害基礎年金2級の額(年額794,496円)に近い年収80万円を想定しているものと思われます(80万円÷12ヵ月=66,667円)。年金2級以上の収入を得ている方には収入に比例した負担を求めるという考え方ですね。(ちなみにR6年4月現在の障害基礎年金2級の年額は816,000円です。)

次は実際に具体的な金額を当てはめて計算をしてみましょう。

 

計算例

 

年齢25歳
食費・光熱水費55,500円
年金収入(障害基礎年金1級 + 障害年金生活者支援給付金)91,638(85,000 + 6,638)円
作業工賃5,000円
国民健康保険料1,871円

上記の条件で計算してみます。計算過程に出てくる①~④の数字は上の図と対応しています。


  • 手元に残る額

①「その他生活費」
上図より、障害基礎年金1級なので28,000円

②66,667円を超えた収入の50%
(年金収入91,638円 – 国民健康保険料1,871円 – 66,667円) x 50% = 11,550円  ※作業工賃収入は24,000円以下なので全額控除される。

① + ② = 39,550円

が手元に残ります。(これとは別に控除された作業工賃5,000円も手元に残ります。)


  • 実負担額

③66,667円 – 「その他生活費」
66,667円 – 28,000円 = 38,667円

④66,667円を超えた収入の50%
②と同じなので11,550円

③ + ④ = 50,217円

を収入から支払います。


  • 補足給付

食費光熱水費55,500円 – 実負担額50,217円 = 5,283円

が支給され、食費光熱水費の支払いに充てます。

※障害福祉サービス受給者証記載の補足給付(=特定障害者特別給付費)は日額で記載される為、月の日数30.4で割ります(1円未満切り上げ)。 5,283円 ÷ 30.4日 = 174円(日額)

 

(3) その他の費用

その他の費用については医療費等一部を除いては実費になりますので、無駄遣いを避け、節約を心がけましょう。
以下のような費用が想定されます。


  • 施設の基本サービス外の費用  数百円~数千円
    利用者ご本人が個人的に希望されたレクリエーションの材料費等です。費用が高額にならないよう心がけている施設がほとんどだと思います。
  • 医療費  なし~数千円
    障害者医療費助成制度で大幅に減額されます。減額割合は市町村によって異なりますが、無料という市もあります。
  • 被服費  なし~数千円
    衣類を購入する費用です。普段着、作業着(作業を行う施設)、外出着、パジャマ、下着、靴等。極端に体型が変わったり、最新の流行を追って頻繁に買い替えるといった事が無ければ高額にはならないかと思います。
  • 日用品費  なし~数千円
    洗面用具、収納用品他です。石鹸、シャンプー、歯磨き粉、トイレットペーパー、おむつ等の消耗品は基本料金に含まれていることが多いと思います。
  • 嗜好品  数百円~数千円
    食事以外のおやつやジュースの費用が主です。お酒や特にタバコは控えて頂いている施設が多いと思います。
  • 趣味にかかる費用  なし~数千円
    雑誌に音楽、絵画やスポーツ、外出等、趣味にかかる費用です。
  • 散髪代  数百円~数千円
    訪問理容サービスを受けられる施設が多いのではないかと思います。
  • 知的障害者向け賠償責任保険(AIG、全国知的障害児者生活サポート協会、Chubb、ぜんち共済等)  なし~2,000円程度
    施設の備品や他の利用者の物を誤って壊してしまったり、他の方に怪我を負わせてしまった時等の保険です。高額の賠償責任が発生する恐れがありますので加入しておきましょう。
  • 入院時の個室利用料や付き添い費用をサポートする保険(全国知的障害児者生活サポート協会、施設利用者互助会、ぜんち共済等)  なし~2,000円程度
    入院時の個室利用や付き添いは必須ではありませんが、重度の知的障害で多床室での入院や、お一人での入院が困難な場合には必要になることがあります。入院が長期間に及んだ場合、かなり高額の負担が発生する恐れがありますので加入を検討しましょう。
  • 成年後見人に支払う報酬  なし~20,000円程度 (市町村の助成を受けられれば低額ないし無料)
    成年後見とは知的障害や認知症で判断能力が不十分な方の法律上の手続き等を、選任された後見人がサポートする制度です。司法書士等専門職の方に後見を依頼した場合には報酬を支払う必要があります。ご家族等が後見人を務められる場合この費用は発生しません。又、成年後見は施設入所に必須ではありませんが、施設から勧められたり、遺産相続が発生した際に後見人の選任が必要になることがあります。市町村の成年後見制度利用支援事業による助成が受けられる場合があります。

以上の費用について「(2)食費・光熱水費」の計算例で示した、手元に残る額の範囲でやりくりが可能かイメージしてみてください。

 

さいごに

知的障害をお持ちの方が入所施設(障害者支援施設)で生活する為に必要な費用の説明は以上です。

かなり余裕があるとは言えないけれど、全く足りないということも無いんだなという印象をお持ちになった方が多いのではないでしょうか。

制度が複雑でなんだかよく分からないという方も多くいらっしゃるとは思いますが、大切な人生とお金のことですので、一度しっかりと勉強しておきましょう。

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知的障害者グループホームでの生活に必要な費用

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参考資料

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